くどうさとし 水彩画の描き方入門。

水彩画の描き方

道具

 水彩絵の具

 おすすめの絵の具

 水彩用の筆1

 水彩用の筆2

 パレットと筆洗

準備

水張り(パネル)

技法

 グリザイユ

 マスキングインク

 








浮いて

「色が浮く」などと使います。調和していない、自己主張が強すぎる部分など、悪い意味。


階調

 カンタンに言えば濃淡のことですが、例えば、絵にする風景の一番白いところを紙の白で、一番暗いところを絵の具の黒で描くとき、一番明るい(暗い)ところにくらべて、どれくらいの明るさかを考えます。


W&N

 英国の画材メーカー、ウインザー・アンド・ニュートン社のこと。同社の透明水彩絵の具は世界中のアーティストが使っている。


ウエットオンウエット

 Wet on Wet。まだ乾いていない絵の具の上に別の色の絵の具を置くと、2色がとけ込んで、偶然によるさまざまなグラデーションができる技法。あらかじめ紙を水でぬらして置いても良い。日本画の技法「たらし込み」に似ている。

グリザイユ(Grisaille)技法

グリザイユを使った水彩画

グリザイユ技法で描いているところ。水色に見えるのはマスキングインクです。


 グリザイユという耳慣れない技法を知ったのは、祖父が持っていた「油彩画の技法」という本だったと思います。記憶があやふやですが。水彩をはじめてから、奥津国道先生の著作「水彩画プロの裏技」にグリザイユ技法が紹介されているのを知りました。イラストレーションでも、あの、「セクシーロボット」で有名な空山基さんがこの技法を駆使していますが、水彩でもできるとは知りませんでした。

 どんな技法かというと、最初に黒(グレー)で影や、陰影の濃淡を描いてしまい、後で色を置いていくという方法です。透明水彩は重ね塗りした下の色が透けて見えるので、後から黒で陰影をつけるより自然な出来になります。例えば上の絵で、道路に写る信号の影を、道路を着彩した後で黒い絵の具で描くと、影が浮いてしまって、影と言うよりは黒い物体か模様のようになってしまいがちなのですが、先に黒で描いておいて後で道路を着彩すると、とても自然な影に。建物の壁の濃淡や、ひさしの影なども黒、グレーであらかじめ描いておくと、後で着彩するときに階調を考えなくて良いのでとても楽です。また、どこから色を置いていくか考えるときも、鉛筆の薄いスケッチではなく形がはっきり見えるので、プランが立てやすいのもいいところです。

 注意する点もいくつかあります。絵の全体に濃淡を克明につけてしまうと、昔あった、色を塗った白黒写真のようになってしまいます。彩度を高くしたい部分は塗らないようにしましょう。また、紙によっては、上から絵の具を重ね塗りしたときに、黒がにじんでしまいます。普段使っている紙で実験してみてください。

 僕は黒い絵の具(Black)は使っていません。バーントシェンナとウルトラマリンライト(W&Nではフレンチウルトラマリン)を混ぜると、黒っぽい色になるので、それを黒の代わりに使っています。パレット上で絵の具を混ぜながら塗ると、影の部分も一様な黒にならず、青みがかった黒からセピア調の黒へとグラデーションができるので、水彩的で気に入っています。佐々木悟郎さんの絵では、影も黒(グレー)ではなく、青や緑や茶がグラデーションになって溶け込んでいるのがわかるでしょう。あの感じがたまらなくいいのです。

 グリザイユを使うと、水彩画としては堅苦しい感じになりやすいので、ウエットオンウエットなどで変化をつけるように心がけています。

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グリザイユを使った水彩 完成
上の絵の出来上がり。信号の影は濃すぎたのか、少しにじみました。